複数形のポルトガル語文法

ポルトガル語における複数形の基本ルール

ポルトガル語の複数形は主に名詞と形容詞に適用され、文章中の複数の対象を示します。基本的には単語の語尾に変化を加えることで形成されますが、語尾の種類によって変化の仕方が異なります。

1. 母音で終わる単語の複数形

多くの名詞や形容詞が母音（-a, -e, -o）で終わる場合、複数形は以下のように作られます。

-aで終わる単語：語尾の「-a」を「-as」に変える
例：casa（家）→ casas（家々）
-oで終わる単語：語尾の「-o」を「-os」に変える
例：carro（車）→ carros（車たち）
-eで終わる単語：語尾の「-e」を「-es」に変える
例：pente（くし）→ pentes（くし複数）

これらは最も基本的かつ一般的な変化方法です。

2. 子音で終わる単語の複数形

子音で終わる単語の場合、語尾の変化は子音の種類によって異なります。

-r, -zで終わる単語：語尾に「-es」を付ける
例：flor（花）→ flores（花々）
-lで終わる単語：語尾の「-l」を「-is」に変える
例：animal（動物）→ animais（動物たち）
-mで終わる単語：語尾の「-m」を「-ns」に変える
例：homem（男性）→ homens（男性たち）

これらのルールを覚えることで、複数形の単語を正確に作れるようになります。

形容詞の複数形の形成

ポルトガル語の形容詞は、修飾する名詞の性・数に一致させる必要があります。したがって、複数形の名詞を修飾する場合は、形容詞も複数形に変化します。

形容詞が母音で終わる場合：
単数形の語尾を「-s」に変える
例：bonito（美しい）→ bonitos（美しいたち）
形容詞が子音で終わる場合：
「-es」を付ける
例：feliz（幸せな）→ felizes（幸せな複数）

さらに、男性形・女性形の違いも考慮しなければなりません。

女性形の場合、-o → -a、複数形は -as
例：bonita → bonitas

動詞の複数形活用

動詞の複数形は文の主語に合わせて活用されます。ポルトガル語の動詞は人称と数によって変化し、複数形は主に「nós（私たち）」「vós（あなたたち）」「eles/elas/vocês（彼ら/彼女ら/あなたたち）」に対応します。

1. 現在形の複数活用例（規則動詞）

例として、-ar動詞「falar（話す）」の活用を示します。

nós falamos（私たちは話す）
vós falais（あなたたちは話す）
eles falam（彼らは話す）

同様に、-er動詞「comer（食べる）」、-ir動詞「partir（出発する）」も人称・数に合わせて語尾が変化します。

2. 不規則動詞の複数形

不規則動詞も多く存在し、複数形の活用は語幹や語尾の変化が異なります。例えば、動詞「ser（～である）」の現在形複数活用は以下の通りです。

nós somos（私たちは～である）
vós sois（あなたたちは～である）
eles são（彼らは～である）

このような不規則動詞は頻出のため、しっかり覚えることが重要です。

複数形の例外と特殊ケース

ポルトガル語には、複数形形成における例外的なルールや特殊な単語も存在します。

1. -ãoで終わる単語の複数形

-ãoで終わる名詞の複数形は3種類の変化パターンがあります。

-ãos
例：irmão（兄弟）→ irmãos
-ães
例：pão（パン）→ pães
-ões
例：coração（心臓）→ corações

単語ごとに覚える必要があり、学習の際は辞書で確認することが推奨されます。

2. 複合名詞の複数形

複合名詞の場合、複数形の作り方は複雑で、どちらかの単語、または両方が複数形になることがあります。

例：guarda-chuva（傘）→ guarda-chuvas
例：beija-flor（ハチドリ）→ beija-flores

これらは慣用的に使われるため、文脈によって使い分けます。