フィンランドの慣用句とことわざ

フィンランドの言語と文化には、美しい慣用句やことわざが豊富に存在します。これらの表現は、その地域の歴史や価値観を色濃く反映しており、言語学習者にとってはその文化を深く理解する手助けとなります。今回は、フィンランド語の慣用句とことわざをいくつか紹介し、それぞれの意味や使い方を解説します。

Elää kuin pellossa
直訳すると「畑で生きる」という意味ですが、実際には「のんびりと自由に生きる」という意味で使われます。自然と調和して、ストレスのない生活を象徴する表現です。
Hän elää kuin pellossa, ei huolia eikä murheita.

Ei kaikki kulta joka kiiltää
「光るもの全てが金ではない」という意味で、見た目だけで物事を判断してはいけないという教訓を含んでいます。外見に惑わされず、本質を見極めるべきだという警告です。
Muista, ei kaikki kulta joka kiiltää.

Hätä ei lue lakia
「緊急時には法律を守る余裕がない」という意味で、非常時には通常のルールや規範が適用されない場合があることを示しています。困難な状況では柔軟な対応が求められることを表現しています。
Kun on todellinen hätä, hätä ei lue lakia.

Kiviäkin kiinnostaa
「とても退屈である」という意味の表現で、話や事象が非常に面白くないことを示します。文字通り石でも興味を持つかのように表現することで、皮肉を込めています。
Tämä kokous on niin tylsä, että kiviäkin kiinnostaa.

Käärmeen lailla liukas
「非常に滑らかである」または「狡猾である」という意味で使われる表現です。文字通りの意味と比喩的な意味の両方で用いることができ、状況に応じて解釈が変わります。
Hän on käärmeen lailla liukas, joten varo häntä.

Parempi pyy pivossa kuin kymmenen oksalla
「手元にある少ないものでも確実な方が、多くを望むが確実でないより良い」という意味です。確実性と安定性を重視するフィンランド人の価値観が反映されていることわざです。
On parempi pyy pivossa kuin kymmenen oksalla.

フィンランド語の慣用句やことわざを学ぶことで、言語だけでなく文化や価値観にも触れることができます。これらの表現は、日常会話や文学作品の中で頻繁に登場するため、フィンランド語のコミュニケーション能力を高める上で非常に役立ちます。学習を進める中で、これらの表現を積極的に使ってみると良いでしょう。

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