命令型ルーマニア語文法

命令型ルーマニア語文法の基礎

ルーマニア語の命令型（「imperativ」）は、相手に何かを「しなさい」と指示や依頼をする際に使います。動詞の命令形は、相手の数や敬意の度合いによって形が変わるため、正しく理解することが重要です。

命令型の基本構造

命令形は主に二人称単数（tu）、二人称複数（voi）、および丁寧な形（三人称単数および複数）で使用されます。以下に基本的な構造を示します。

二人称単数（tu）: 親しい相手や友人に対して使う。
二人称複数（voi）: 複数の相手に対して使う。
丁寧形（三人称単数・複数）: 敬意を示す場合に使われ、動詞の接続法現在形を用いることが多い。

動詞の活用パターン

命令形の活用は、動詞の語幹や活用グループによって異なります。ルーマニア語の動詞は大きく分けて三つの活用グループに分類され、それぞれ命令形の形成方法も違います。

第1活用グループ： -a動詞（例：a vorbi「話す」）
第2活用グループ： -ea動詞（例：a vedea「見る」）
第3活用グループ： -e動詞、-i動詞、-î動詞（例：a merge「行く」）

二人称単数の命令形の作り方

二人称単数の命令形は、動詞の語幹に応じて形が変わり、否定形では別のルールが適用されます。

肯定形の命令形

肯定命令は、通常、動詞の語幹を用い、語尾に特定の変化を加えます。例えば：

動詞「a vorbi」（話す）の場合：「vorbește」
動詞「a merge」（行く）の場合：「mergi」
動詞「a face」（する）の場合（不規則動詞）：「fă」

不規則動詞は例外が多いため、個別に覚える必要があります。

否定形の命令形

否定の命令形は、動詞の接続法現在形を使い、動詞の前に「nu（〜しないで）」を置きます。例えば：

「話す」→「Nu vorbi!」（話すな！）
「行く」→「Nu merge!」（行くな！）

否定形は肯定形とは異なる形を取るため、混同しないよう注意が必要です。

二人称複数の命令形

複数の人に対して指示を出す場合、二人称複数の命令形を使用します。これは基本的に動詞の現在形の二人称複数形と同じ形を取ります。

肯定形

「a vorbi」→「vorbiți」
「a merge」→「mergeți」

否定形

否定形は、二人称複数の接続法現在形を使用し、動詞の前に「nu」を付けます。

「a vorbi」→「Nu vorbiți!」
「a merge」→「Nu mergeți!」

丁寧な命令形の使い方

ルーマニア語では、目上の人やあまり親しくない人に対して命令をするとき、丁寧な形を使います。これは三人称の接続法現在形を用い、「să + 接続法動詞」という形で表します。

例文

「a vorbi」→「Să vorbească!」（話してください）
「a merge」→「Să meargă!」（行ってください）

この形は直訳すると「〜するように」となり、命令というより依頼や希望を表すニュアンスが強いです。