イタリア語文法におけるVoi

イタリア語における「voi」とは？

イタリア語文法での「voi」は、主に2人称複数の主語代名詞として使われます。これは日本語の「あなたたち」や英語の「you（複数）」に相当します。以下に、「voi」の基本的な使い方を詳しく見ていきましょう。

話し相手が2人以上の場合に使う
フォーマル・インフォーマル両方の場面で使用可能
動詞の活用が「voi」専用に変化する

例文で見る「voi」

Voi parlate italiano.（あなたたちはイタリア語を話します。）
Voi siete studenti.（あなたたちは学生です。）

「voi」の文法的役割

「voi」は主語として文の先頭に置かれるだけでなく、動詞の活用や目的語としても重要な役割を果たします。

主語としての「voi」

イタリア語では主語が省略されることも多いですが、強調したいときや、混乱を避けるために「voi」が明示的に使われます。

動詞の活用：voi形

「voi」に対応する動詞の活用は、動詞の原形によって異なります。以下は主要な動詞の「voi」形の例です。

-are動詞（parlare）：voi parlate
-ere動詞（scrivere）：voi scrivete
-ire動詞（dormire）：voi dormite

目的語や所有代名詞としての「voi」

また、「voi」は目的語や所有代名詞としても使用されます。

Ho visto voi ieri.（昨日あなたたちを見ました。）
Questa è la vostra casa.（これはあなたたちの家です。）

イタリア語の人称代名詞全体の中での「voi」の位置づけ

イタリア語には6つの人称代名詞がありますが、その中で「voi」は2人称複数として重要な位置を占めています。

人称	単数	複数
1人称	io（私）	noi（私たち）
2人称	tu（あなた）	voi（あなたたち）
3人称	lui/lei（彼/彼女）	loro（彼ら/彼女ら）

「voi」と「Lei」「Loro」の違い

イタリア語では、相手に敬意を表すために「Lei」や「Loro」が使われることがあります。これらは「voi」とは異なる使い方をします。

Lei：2人称単数の敬称（フォーマル）
Loro：2人称複数の敬称（ただし現代ではほとんど使われない）
voi：2人称複数（フォーマル・インフォーマル両方で使用）

歴史的背景：「voi」のフォーマルな使い方

かつては、「voi」は敬称としても使われていました。特に南イタリアや年配の世代では、今でもフォーマルな場面で「voi」が使われることがあります。ただし、標準イタリア語では2人称単数の敬称として「Lei」を使うのが一般的です。

「voi」の動詞活用の詳細

イタリア語の動詞は主語によって活用が変わります。特に「voi」形は、日常会話やグループで話す際に頻出します。

-are動詞の「voi」活用

parlare（話す）→ voi parlate
amare（愛する）→ voi amate
giocare（遊ぶ）→ voi giocate

-ere動詞の「voi」活用

scrivere（書く）→ voi scrivete
leggere（読む）→ voi leggete
correre（走る）→ voi correte

-ire動詞の「voi」活用

dormire（眠る）→ voi dormite
finire（終える）→ voi finite
sentire（感じる）→ voi sentite

イタリア語会話での「voi」の使い方

日常会話の例

Voi venite alla festa?（あなたたちはパーティーに来ますか？）
Voi avete già mangiato?（あなたたちはもう食べましたか？）
Voi conoscete questo posto?（あなたたちはこの場所を知っていますか？）

フォーマルとインフォーマルの使い分け

友人や家族など親しい間柄では「voi」を気軽に使用
ビジネスや目上の人には通常「Lei」を用いるが、グループに対しては「voi」が適切
フォーマルな文書や公式な場では「Lei」や「Loro」が使われる場合もあるが、現代では「voi」が主流

「voi」に関するよくある間違い

イタリア語学習者が「voi」を使う際によく見られる間違いをまとめました。

動詞の活用を間違える（例：voi parla× → voi parlate〇）
単数の相手に「voi」を使ってしまう
所有形容詞・代名詞の一致を忘れる（voi → vostro/vostra/vostri/vostre）

「voi」の正しい使い方を身につけるコツ

イタリア語文法における「voi」を正確に使いこなすためのポイントを解説します。

グループで会話する際は必ず「voi」と「voi形」の動詞を意識する
所有形容詞や代名詞も「voi」に合わせて変化させる
例文をたくさん作って練習する
ネイティブの会話を聞いて、「voi」の使い方を耳で覚える
Talkpalなどのオンライン教材を活用して実践的な練習をする