自己 (zìjǐ) vs. 本身 (běnshēn) – 中国語の再帰代名詞を明確にする

中国語を学ぶ上で、再帰代名詞の理解は非常に重要です。特に「自己」「本身」の使い分けは、日本語との類似性からも混乱しやすいポイントです。この記事では、それぞれの用語の意味と使い方を詳しく説明し、具体的な例を通じてその違いを明確にします。

「自己」の基本的な使い方

「自己」(zìjǐ)は、英語の “oneself” に相当し、主に自分自身を指す再帰代名詞として使用されます。この語は、主語が行った行動がその主語自身に向けられていることを示します。

他人にものを与える場合は「自己」を用いませんが、自分自身に何かをする場合に使用します。

他人にケーキを食べさせる場合:
– 他给她一个蛋糕。 (彼は彼女にケーキを与えた。)

自分自身にケーキを食べる場合:
– 他给自己一个蛋糕。 (彼は自分自身にケーキを与えた。)

この例から、「自己」がどのように使われるかが明確になります。行動の対象が話者または主語自身である場合に適切です。

「本身」の基本的な使い方

一方、「本身」(běnshēn)は “itself,” “himself,” “herself,” などと訳されることが多く、ある事物や人物の本質や特性を指し示す時に用いられます。この語は、対象が持っている固有の属性や状態を強調する際に使います。

例えば、ある事物の特性を強調する場合:
– 这个问题本身很复杂。 (この問題自体がとても複雑だ。)

この場合、「本身」は問題の固有の性質を指しており、それ自体が複雑であることを表しています。

「自己」と「本身」の使い分け

「自己」「本身」の違いを理解するために、更なる例を見てみましょう。

– 他自己做了那件事。 (彼は自分自身でその事をした。)
– 这件事本身就是个错误。 (この事自体が間違いだ。)

最初の文では、「自己」は行動の主体が自分自身であることを強調しています。二番目の文では、「本身」はその事柄の本質的な性質、つまりその事が間違いであることを強調しています。

まとめ

中国語の再帰代名詞「自己」「本身」は使い方が異なります。「自己」は自分自身に対する行動を指す場合に使用し、「本身」は対象の本質や固有の属性を強調する場合に用いられます。これらの違いを理解し、正確に使い分けることで、より自然で正確な中国語表現が可能になります。

中国語学習者の皆さんがこれらのポイントをしっかりと押さえ、効果的なコミュニケーションを目指していただければと思います。

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